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2020年度 研究シーズ

蒸着装置における蒸発源及び蒸着装置

核融合科学研究所・准教授 高山 定次

研究キーワード

蒸着装置 , マイクロ波加熱

セールスポイント

  • 実用性に秀れた蒸着装置における蒸発源及び蒸着装置です。
装置の側断面図

研究概要

オーバーシュートが小さく蒸着レートコントロールが容易で、蒸着材料を短い加熱時間で所定温度に到達させることができ、また基板全体に短時間に蒸着しタクトタイムを短縮する事が可能な極めて実用性に秀れた蒸着装置における蒸発源及び蒸着装置を提供する。

要部の拡大斜視図

応用事例・使用用途など

蒸着装置

研究内容

マイクロ波照射部8から容器2にマイクロ波を照射すると、マイクロ波吸収体が発熱して容器2が加熱され、この容器2を介して間接的に若しくは直接蒸着材料1が加熱される。
マイクロ波吸収体として、炭化物セラミックス(例えばSiC焼結セラミックス)を用いる場合、炭化物セラミックスの発熱効率は極めて高いため、短時間で所定温度まで蒸着材料1を加熱することが可能となる。また、熱応答性も高いため、急速加熱後のオーバーシュートが小さく所定温度に到達した後の蒸着レートコントロールが容易となる(例えば抵抗加熱方式や誘導加熱方式の場合、急速加熱後の温度のオーバーシュートが大きく、これが安定するまでの時間が極めて長い。)。従って、蒸着材料1の加熱制御を極めて容易に且つ応答性良く行うことが可能となり、蒸着開始までの加熱時間を極めて短くすることが可能となる(抵抗加熱方式の1/100、誘導加熱方式の1/10程度)。
また、容器2の上面部7に設けた蒸着材料通過孔6の開口面積は蒸着材料収納本体部5に収納される蒸着材料1の蒸発面に比し小さく(蒸着材料通過孔6の開口面積の総和を蒸着材料1の蒸着面に比し十分小さく設定した場合には所謂クヌーセンセルとなり)、各蒸着材料通過孔6からは一様な(均一な)蒸発した蒸着材料1の分子流が夫々基板3の成膜面4に照射されて付着することになり、均一な膜厚分布を有する薄膜を成膜可能となる。
即ち、容器2に収納される蒸着材料が面状に広がった状態で蒸着材料1の分子流を直接基板3の成膜面に付着させるのではなく、蒸着材料通過孔6を複数介して面状に基板3の成膜面4に付着させ成膜することで、短時間で広範囲に成膜可能でそれだけ生産タクトタイムを短縮可能となるのは勿論、均一な膜質且つ膜厚を有する薄膜を成膜可能となる。

関連する特許出願番号・特許番号

特許第5578345(2014)

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