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2022年度 研究シーズ

光学材料の高品位接合技術

核融合科学研究所・准教授 安原 亮

研究キーワード

光学材料 , 接合 , 複合材料 , レーザー , 単結晶 , セラミック

研究概要

本研究は、光学材料における異種材料の新しい接合体および接合技術に関する研究です。接合原理は熱拡散接合ですが、「パルス通電加圧焼結法による低温・短時間の熱処理と、10MPa ~ 1GPaの一軸加圧を同時に施す」ことによって、熱膨張率の異なる材料の接合を実現しました。従来の常温接合を用いれば異種光学材料の接合が可能ですが、材料の大型化が困難であり、又、接合面の面精度が悪ければ部分的に接合できない箇所が生じてしまい、十分な品質が得られないなどの問題があります。一方、本研究で実現したパルス通電加圧焼結法は接合面に関して高い面精度は要求されないだけでなく、大型の材料の接合も可能となる特徴を有しています。

想定される応用先・連携先

レーザー装置等の高出力光デバイスの開発において、光学材料の冷却が問題となっています。材料内で発生した温度勾配は、熱収差や熱破断等、様々な熱問題の原因となり、ビーム品質や出力制限の要因となっています。そのため、効率的な冷却手法の確立が重要です。このような用途において本研究の成果を応用し、高熱伝導率材料を光機能材料に接合することで課題を解決することができます。また、難加工材料である光学材料に、加工の容易な材料を接合することによって例えば真空容器の構成部材の透明化などが可能となります。

アピールポイント

材料表面をイオンビーム等で活性化し、平坦度の高い2つの面を接合します、常温接合を用いれば異種光学材料の接合が可能ではあります。しかしながら接合面の面精度が悪ければ部分的に接合できない箇所が生じてしまい、十分な品質が得られないなどの問題があり、材料の大型化が困難です。一方、本研究で実現したパルス通電加圧焼結法は接合面に関して高い面精度は要求されないだけでなく、これにより大型の材料の接合も可能となる特徴を有しています。また面制度の要求が少ないことからコスト削減が見込まれ、使用する装置も競合方法と比較し低コストです。

論文情報

• Hiroaki Furuse, Yuki Koike, and Ryo Yasuhara, "Sapphire/Nd:YAG composite by pulsed electric current bonding for high-average-power lasers," Opt. Lett. 43,3065-3068 (2018)

関連する特許出願番号・特許番号

特許番号:特許第6933349号
発明の名称:接合体、レーザ発振器、レーザ増幅器及び接合体の製造方法

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