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2022年度 研究シーズ

NGSを利用して目的遺伝子を簡便かつ安価に定量化する解析システムの開発

基礎生物学研究所・特任准教授 鈴木 賢一

研究キーワード

NGS(次世代シークエンサー) , 遺伝子発現解析 , 高感度検出

研究概要

試料や検体中の核酸(ゲノムDNAやRNA)の塩基配列を超ハイスループットで決定する次世代シークエンス(NGS)に関する技術開発は日進月歩の勢いで進んでおり、その応用例(アプリケーション)は急速な普及と発展を見せています。現在のNGS解析の世界市場は約1兆円規模とされており、今後もこの技術を用いた解析や検査はさらに増加し、今後は倍以上の市場規模となると予測されています。本研究では、次世代シークエンサー(NGS)を用いて目的遺伝子の転写産物やゲノム中のコピー数をデジタルカウントするシステムを開発し、ハイスループット性・簡便性・コストダウンを満たした定量的遺伝子発現解析法・遺伝子検出法の確立を目指しています。研究期間内の達成目標はPOC(概念実証)研究を通して本システムの中核となるWet(実験) & Dry(バイオインフォマティクス )に関する方法(プロトコール)をそれぞれ開発・最適化することにあります。そして、本研究課題の最終目的はこの解析システムの社会実装を検証することにあります。

想定される応用先・連携先

本研究で提案する解析システムは生命科学研究における遺伝子発現解析だけでなく、ゲノム編集生物や遺伝子組換え穀物の検定、食物のトレーサビリティ、病原菌やウイルスの超高感度検出、病理診断における腫瘍や疾病のカスタム遺伝子パネル検査などへと応用可能です。また、昨今問題になっているRNAウイルスであるCOVID19検査の偽陽性問題(信頼性や感度向上)を解決するための検査法にも流用できます。したがって、その社会実装例は多岐に渡ると考えています。

アピールポイント

上記のように社会実装例は多岐に渡ると予想され、様々な分野(農業、漁業、畜産、獣医学、医学)での応用が期待されます。
開発したWet 手法(プロトコール)はバイオ企業への製品化・キット化の提案、Dry 手法は共同研究者や委託企業を中心としてウェブ上での解析サービス提供を行うという事業化例が提案できます。条件が揃えば、Wet&Dry 手法をセットにした解析サービスを提供する自主ベンチャー起業化も視野に入れています。

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