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2024年度 研究シーズ

AI視覚による歩行者・運転者・遠隔操作等の視覚支援ツール

基礎生物学研究所・准教授 渡辺 英治

研究キーワード

人工知能 , 視覚 , 交通事故 , 大脳 , 錯覚

研究概要

私達は大脳の数理モデルを組み込んだディープニューラルネットを使用して、人の視覚をシミュレートできるAIを開発しました。時に人の知覚は錯覚のようなエラーを起こしますが、本AIではそのようなエラーを含めた再現が可能です。例えば、人は動いていない図形であっても動いていると知覚することがあります。本AIではそうした知覚を再現することができます(図参照)。本AIを応用すれば、人の知覚の特性上必然的に生じる見落としなどの事象を防ぐツールの開発が可能となります。見落としなどは自動車の運転などでは事故の原因となるため、これを支援するツールは有用です。人は視覚情報に大きく頼って生活をしており、本技術の応用範囲は広いと考えられます。

図1: 左図が錯視図形,中央図と右図はAIの予測した知覚上の動きを赤い線で表示しており、人の知覚が再現されている。

想定される応用先・連携先

歩行者やドライバーの視覚支援、路面標識や案内地図などの都市デザイン、遠隔医療などでの遠隔操作の支援、広告デザインの最適化、監視システムの支援など。

アピールポイント

従来技術には、AIによる画像分析があります。こうした画像分析は専門性が高く、人間よりも正確で優れた性能を持ちます。今回のAI視覚は、正確性よりも人の感性に近い特性を持つことが特徴です。そのため、人間により近くで寄り添う支援ツールの開発が可能となります。

論文情報

  • Watanabe E, Kitaoka A, Sakamoto K, Yasugi M and Tanaka K (2018) Illusory Motion Reproduced by Deep Neural Networks Trained for Prediction. Front. Psychol. 9:345. doi: 10.3389/fpsyg.2018.00345

関連する特許出願番号・特許番号

出願番号 :特願2019-084479
発明の名称:画像分類器、画像分類方法及びコンピュータプログラム

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