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2020年度 研究シーズ

赤外線イメージングビデオボロメーター

核融合科学研究所・教授 ピーターソン バイロン

研究キーワード

ボロメーター , イメージング , 輻射

セールスポイント

  • 数百チャンネルでの輻射光のイメージング計測が可能になります。
  • 放射線環境下での計測など、幅広い分野での応用が可能です。

研究概要

ボロメーターは、幅広い波長の輻射光の総パワーの計測に利用されています。赤外線イメージングビデオボロメーターは、輻射光を、ピンホールを介して金属薄膜に投影し、薄膜の温度上昇を赤外線カメラで計測することで、イメージング計測を行います。
薄膜部分からピクセル(チャンネル)を分割するマスクを取り除くことで、検出可能面積が増え、高精度での計測が可能になります。

金薄膜検出器と無酸素銅フレーム(黒化処理して利用する)

応用事例・使用用途など

金属薄膜の熱的特性をピクセルごとに較正し、2次元熱拡散方程式を解くことで、赤外線カメラの温度画像データから薄膜に吸収された輻射光の総パワーを計測することができます。
また、薄膜の構造が非常にシンプルであるため、放射線環境下での計測も可能です。

赤外線イメージングボロメータ―による輻射光2次元分布の計測例

研究内容

赤外線イメージングビデオボロメーターは、ピンホールを用いたボロメーターカメラと赤外線カメラにより、輻射光のイメージング計測を行う装置です。しかし従来の装置では、薄膜をピクセル(チャンネル)に分割するマスクが必要なため、薄膜上の検出可能面積が減少し空間分解能が低下するという課題がありました。
この課題に対し、赤外線イメージングボロメータ―では、薄膜に対しての2次元熱拡散方程式を解くことで各ピクセル上の輻射光による熱量を求めるアルゴリズムを考案しました。その結果、各ピクセルを熱的に分離するマスクを取り除くことができ、薄膜上の検出可能面積を約60%増加することに成功しました。また、ピクセルのサイズや数を変えることができるため、感度や空間分解能を計測対象に合わせた柔軟な計測が可能です。

赤外線イメージングボロメータ―の概要

関連する特許出願番号・特許番号

特願2000-006635 特許第3390913号(2003)

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