MENU

2020年度 研究シーズ

赤外線イメージングビデオボロメーター用金属薄膜検出器

核融合科学研究所・教授 ピーターソン バイロン

研究キーワード

ボロメーター , イメージング , 輻射 , エネルギースペクトル

セールスポイント

  • 高従来よりも高感度の輻射光のイメージング計測が可能になります。
  • 放射線環境下での計測など、幅広い分野での応用が可能です。

研究概要

ボロメーターは、幅広い波長の輻射光の総パワーの計測に利用されています。赤外線イメージングビデオボロメーターは、輻射光を、ピンホールを介して金属薄膜に投影し、薄膜の温度上昇を赤外線カメラで計測することで、イメージング計測を行います。
金属薄膜を多層構造とすることで、輻射光のパワーから薄膜の温度上昇への変換効率を約40%改善、高感度計測を実現しました。ステンレス薄膜を熱絶縁層として用いることで、熱伝導による損失を低減しています。

多層構造(ステンレス+金+炭素)の薄膜検出器と無酸素銅フレーム

応用事例・使用用途など

薄膜を多層構造にすることで、ピクセルを熱的に分離しています。可視、紫外、極端紫外及び、高エネルギー粒子束を含む広い波長領域のボロメータ―計測が可能です。膜厚を変更することで、測定対象の輻射や粒子エネルギーの分別が可能です。また、薄膜の構造が非常にシンプルであるため、放射線環境下での計測も可能です。

実験とシミュレーションによる較正用レーザー照射時の温度分布

研究内容

赤外線イメージングビデオボロメーターは、ピンホールを用いたボロメーターカメラと赤外線カメラにより、輻射光のイメージング計測を行う装置です。しかし従来の赤外線イメージングビデオボロメーターでは、薄膜への入射パワーの多くがフレームを通して損失して薄膜の温度上昇に費やされないため、感度が低下するという課題がありました。
この課題に対し、新しい赤外線イメージングボロメータ―用金属薄膜検出器では、熱絶縁層となる薄膜上に、互いにギャップを介して配置された複数の輻射吸収層を積層した多層構造を用いています。輻射吸収層での熱伝導による損失は熱絶縁層により従来より約40%抑制されるため、赤外線イメージングボロメータ―の感度を向上させることが可能です。

赤外線イメージングボロメータ―の概要

関連する特許出願番号・特許番号

特願2007-045711 特許第4696250号(2011)

研究シーズを検索・絞り込み